表具は表装とも呼ばれ、経や書画の観賞に適するように、裂地や紙を張って裏打ちする技術として、仏教とともに中国から伝わってきました。
その後、軸装(掛軸)・屏風・巻物画帖・額装・襖(ふすま)などへと表具・表装の世界は広がりを見せてきました。
最近では洋風建築の室内装飾へも進出しているほか、文化財の修復といった分野でも、その高度な技術を発揮しています。
表具は、古くから芸術や宗教の中心地であった京都が育んだ独特の工芸ということができるでしょう。
この展覧会は、日本の潤いある生活文化を創造する、京表具の伝統工芸を軸装・額装を中心に約35点を展示します。いつもは脇役とされがちな表具ですが、ぜひこの機会に目を向けて、その技と美しさをお楽しみください。