近世、伏見は豊臣秀吉が伏見城を築いたのを契機に、その城下町として発展した地域です。
伏見はもともと、木津川、宇治川、桂川、鴨川が流れ込む水陸の交通の要衝でした。それに加え、秀吉が築城に際して伏見港を開くなど大規模な土木工事を行い、水運や街道を整備したこと、また、伏見城下に集められた有力大名に従い多くの商工業者も移り住んだことなどから、伏見は経済的にも大きな発展を遂げることとなりました。
江戸時代に入ると、整備された港や河川を通じ、徳川幕府後任の三十石船・二十石船が行き交う港町となり、京都市内へ繋がる高瀬川運河も開かれると、京都と大阪を結ぶ水上交通の要としてさらに伏見は賑わいを見せました。
幕末には、伏見は明治維新の舞台として重要な役割を果たし、坂本龍馬や中岡慎太郎といった維新志士たちの活躍の場となり、戊辰戦争の鳥羽伏見の戦いは、明治維新の行く末を決める、歴史上大変重要な出来事となりました。
今回の展覧会では、出土品や名所図、絵巻などさまざまな歴史的遺物を手がかりに、安土桃山から幕末までの伏見の歴史を概観します。
より伏見を知り、その魅力を再発見していただく機会となれば幸いです。
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