京都大学のエジプト考古資料は、約100年前にイギリスから贈られたものです。
当時の京都帝国大学考古学教室の初代教授・濱田耕作と、ロンドン大学教授 フ
リンダース・ペトリーとの交流の中で所蔵資料は充実し、古代エジプトを研究するための基本的な考古資料のコレクションとなりました。
現在、総合博物館では、文学研究科考古学研究室と協力して、来年度の目録完成を目指してエジプト考古資料の調査を進めています。その過程で、収蔵品の学術的価値を再認識しました。
また、展覧会開催にあたって、エジプト探査協会並びにロンドン大学ペトリ―・エジプト考古学博物館で調
査を行い、どのような経緯で寄贈されたのかが明らかとなりました。さらに、古人骨やコプト織物、鳥のミイラなどいくつかの資料に対して、生物学的研究や最新の技術を用いた解析を進め、新たな発見が生み出されつつあります。
今回の展覧会では、100年前に発掘された考古資料とともに、現代的関心の下で実践された研究の成果を合わせて展示します。エジプトの悠久の歴史はもちろんのこと、日本における考古学の歴史、大学における研究の姿に触れていただける機会になれば幸いです。
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