孤独な息子と奔放な母…
パリの風景を詩情豊かに描いたモーリス・ユトリロ(1883-1955)と、ユトリロの母で画家のスュザンヌ・ヴァラドン(1865-1938)の展覧会です。 日本でも人気を誇る二人の親子関係を交えながら、油彩を中心に、ユトリロの作品約40点とヴァラドンの作品約40点を展示します。
パリ・モンマルトルに生まれる。父親は不明。7歳のときにスペイン人ジャーナリストのミゲル・ウトリーリョ(ユトリロ)・イ・モルリウスが息子として認知し、“モーリス・ユトリロ”となる。絵画と恋愛に忙しい母に代わり、幼いユトリロの世話は祖母の仕事であった。貧しい環境の中、10代の頃から飲酒癖があり20歳でアルコール依存症のため入院。治療の一環として医者に薦められたことが絵を描くことだった。
お針子の娘として、フランス中部リモージュ近郊に生まれる。父親は不明。幼い頃にパリに出てサーカスの曲芸師をしていたが、空中ブランコから落下し怪我をしたため退団。その後、ルノワールやロートレックといった著名な画家たちのモデルを務めた。ロートレックや作曲家エリック・サティとの恋愛関係、18歳で父親のわからない息子(ユトリロ)を出産し、49歳で21歳年下の男性と再婚するなど、彼女の自由奔放でエネルギッシュな生き方はもちろんのこと、ドガが絶賛した確かなデッサン力や個性的な裸婦像の作品も、圧倒的な存在感を示している。
1865年 ヴァラドン生まれる。
1869年 ヴァラドン、母親と共にパリへ移る。
1880年 ヴァラドン、サーカスの曲芸師となるが退団。画家のモデルとなる。
1883年 ユトリロ生まれる。ヴァラドンはこの頃から絵を描きはじめる。
1896年 ヴァラドン、実業家のポール・ムジスと結婚する。
1904年 ユトリロ、アルコール依存症の治療のため絵を描きはじめる。
1914年 ヴァラドン、ユトリロの友人で21歳年下のアンドレ・ユッテルと再婚する。
1935年 ユトリロ、リュシー・ポーウェルと結婚する。
1938年 ヴァラドン死去。
1955年 ユトリロ死去。
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