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京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品展 ARTであしあと5 — 壁を魅せる

2014/08/28 ~ 2014/09/07


【京都市立芸術大学 ギャラリー@KCUA(アクア)】

京都市立芸術大学 ギャラリー@KCUA(アクア)

京都市立芸術大学のあゆみを収蔵作品の展示を通して紹介する企画展。
第5回となる今回は、京都市立芸術大学の前身である京都市立美術工芸学校図案科卒業作品の中から、明治末期より昭和戦前期までの間に制作された室内装飾に関わる作品を選び展示します。

京都市立芸術大学の前身であり、京都最初の美術学校として設立された京都府画学校に、意匠図案、すなわちデザインに関する専攻ができたのは明治21年のことです。最初は応用画学科と呼ばれていましたが、校名改称、組織変更を繰り 返し、明治32年にようやく図案科という名称に落ち着きました。
もともと京都府画学校は、染織や陶磁器などの地域産業の振興を期待して生まれたものでしたが、当初の教育は画家を育てることに偏重してしまい、周囲の期待に応えるには時間がかかりました。当時、まだ工芸は美術の一部というより産業の一部と捉えられて いたのです。当初は日本画家が図案教育を担当していた点を見ても、京都が意匠図案に対して保守的な考え方をしていたことがわかります。

その後、日本絵画と意匠図案という教育の柱は、美術工芸学校への組織改編の中で明確に意識されるようになりました。そして神坂雪佳 (1866-1942)や古谷紅麟(1875-1910)ら図案を専門とする教員が教鞭を執るようになり、学外とも連携した美工会のような図案家の組織も 生まれ、この時期学校と社会は比較的円滑な協力体制を築くことに成功しています。

美術工芸学校の図案科は、長い歴史の中で伝統産業の分野に多くの人材を送り出しました。しかし、その教育は図案意匠の制作に特化しており、実制作に結びつく教育は、地域の工房にゆだねていました。京都に根付いた分業体制の中で、この図案教育は展開していったのです。
その結果、図案家の活動は見えにくくなり、 今日ではその足跡が辿れない人も少なくありません。

今回展示する卒業作品は、明治大正期の高い天井を持つ建築の室内空間を意識して考案された壁面装飾品の意匠です。
学生の頭の中には、琳派や友禅 や西陣など近世以来の京都の工芸意匠と、アール・ヌーヴォーやアール・デコといった輸入されたばかりのモダンデザインが混在しており、葛藤しながらも若々しい大胆さで挑戦した成果を見せてくれます。少し懐かしい気分の漂う空間を、ゆっくりとご鑑賞ください。


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